冒頭のアニメーションムービーは『Pearl』という作品です。Google Spotlight Storyシリーズの一環として2016年に公開されました。ストーリーは、ミュージシャンの父親とその娘が成長していく姿を自動車「Pearl」で記録したロードムービー。我々は車の助手席視点からその様子を見渡すことができます。
Google spotlight Storyとは
Google スポットライト ストーリーは、ストーリーとモバイル バーチャル リアリティを融合し、スマートフォンの画面からストーリーを 360 度見渡すことができます。スマートフォンのセンサーを駆使してインタラクティブなストーリーを実現しているため、スマートフォンを動かしてさまざまなシーンを表示しながらミニストーリーを進めていくことができます。(引用元:itunes.apple.com)
※現在ではYoutubeでの閲覧かつデスクトップでも視聴可能となっています。
ハリウッドで有名な監督たちが携わっている映像ということもあって、内容はよくできています。
米メディアは「もし、みなさんがVR(バーチャルリアリティ)の世界に触れていないのであれば、アカデミー賞は新興のフォーマットに注意を払う別の理由を与えた」と、本作のノミネートを報道しました。
そもそも既存の映画は、定視点で起こったシーンを届けていました。そしてそれは、モノクロからカラーに、昨今では3D、4Dへと進化してきました。しかし、この360°動画は今までの次元とは異なる革命的進化です。観客が好きな時に好きな視点で見られるからです。
同時多発的にストーリーが展開していく様子を体験できます。よって、伏線シーンや各キャラの表情シーンなどのカット割りを無くすことも可能です。さらに、観覧者の視点に対応する仕組みであれば、ストーリの展開も異なるということも。
もし、360°動画が今後も浸透伸張していったとしたら、今の4DXにゴーグルも備え付けられ、さらなる没入感を得ると同時に、インタラクティブに好きな視点で見て楽しむことができる映画娯楽になるかもしれませんね。
その他、Google Spotlight Storyで面白かった作品をご紹介します。
Buggy Night
可愛い5匹の虫たちとカエルのコメディームービー。面白いのは、ユーザーの視線を虫たちに持っていくことで、ストーリーが進行していくところです。自分の目で虫たちを探していくのがつい楽しくなっちゃいます。
Special Delivery
スマートフォンを動かしていくことで、隠れたストーリーをアンロックすることができます。10種類のサブプロットが隠れているそうです。ストーリーの分岐点は60シーンも隠されているとか。何回も見て挑戦したくなりますね。