国内販売のスマートフォンも続々、GoogleのVRプラットフォームであるDaydreamに対応した製品が発売され始めています。
SIMフリーのスマホではモトローラのMOTO Z、ZTEのAXON 7、HUAWEIは海外版でMate 9 pro。Galaxy S8はGoogle Daydreamに未対応かと噂されていましたが、夏期アップデートでDaydream対応となり海外の主要スマートフォンメーカーがVRに本腰をあげてきています。
その中でも、VRプラットフォームのDaydreamとARプラットフォームのTangoに世界初の両対応し、スマホでまさかのパソコン並みのRAM8GBモデルという鬼スマートフォンを発表した「ASUS(エイスース)」のZenfone ARを触ってみましたので、実機に触れた感想をそのままご紹介しようと思います。
Zenfone ARの外観
手にとって温かみを感じる上質なレザーに纏われています。今までZenfoneシリーズのハイスペックモデルは金属ボディが通常でしたが、今回は革です。
筆者はスマホが手からスルッと抜けるのが怖いので、これまでは革のケースや衝撃吸収型のソフトケースを着用していましたが、このZenfone ARは温かみを感じるほど上質なレザーで覆われているので「カバーやケースをしなくても良いくらい手に馴染むな」と感じました。
ディスプレイは発色良く省電力の有機ELを採用。解像度も「2560×1440」と今あるスマートフォンの中でとても高く、撮影した写真やVR動画まで発色の鮮やかな映像体験が楽しめます。
レスポンスはサクサク!極上のスマートフォンです。
Zenfoneの中で以前発売されていた「Zenfone 2」という機種はタッチパネルの反応が悪い不具合が端末により発生してましたが、今回は違いました。
Zenfone ARはミドルスペック迄のスマートフォンによくある「タップしたアプリの立ち上がり遅延」がなく、素早いタップ操作やキーボードの文字入力にもしっかり反応してくれます。
実際にRoomcoという重たいARアプリを動かしてみましたので、その動かした様子も後にご紹介します。
Androidの中で使われるCPUの中でもトップクラスの処理速度を持つ「Snapdragon 821」を搭載でRAMが8GBとなっています。
筆者はiPhone 6を使用していますが、VRアプリをプレイしたり、Youtube360度動画を見たりすると重たいものは映像がカクついたりします。
カクついたりする状態は「処理が追い付いていない」ということですが、VRやARアプリを動かすときにCPUとRAMがとても重要になってきます。
今市場に出ているAndroidスマホの中で、このCPUとRAMの組み合わせを持っているのはZenfone ARのみです。現状Daydreamに対応しているスマホでもRAMが半分の4GB程度ですので、現状でVR・ARをスマホで楽しむのに最も優れたスマートフォンと言えると思います。
ARアプリ「Roomco」をやってみた
好きなインテリアを好きな場所に置けるARアプリ、Roomcoを動かしてみましょう。
Roomcoはカメラで写した画像やリアルタイムの映像の中に、francfrancや無印良品、大塚家具などのインテリアを置くことが出来ます。配置できる家具は実際に売っているもので、そのまま買うことも出来ます。
言葉で説明すると分かりづらいですね。とりあえずやってみたいと思います。
※Zenfone AR RAM8GBモデルで行いました。
まず好きな家具を選びます。
次にカメラで置きたい場所を写します。
次に置きたい家具を移動させます。お好きな角度や場所にタップで移動が出来ます。
手前に置いたり、奥に置いたり自由に配置が出来ます。
Roomcoはアプリの中でかなり重い部類ですが、サクサク動きます!
このアプリが重たい理由は「カメラで写している映像の変化」に伴って「家具の大きさや角度が変わる」という点です。
カメラの写す位置を動かしながら、同時にソファー等の家具の配置を指の操作で前後に動かしたり出来ます。
スマホの中でカメラに写っている場所をひとつの空間として距離を認識しながら、立体的な家具データも読み込んで大きさや角度を変化させながら動かす処理を行っています。
近い将来出てくるであろう、高画質かつ高い処理能力を必要とするVR・ARアプリでもこの先2年程は難なく動かせることかと思います!
処理速度はどれくらい?antutu(アンツーツ)のベンチマークスコア
スマートフォンがどれだけの処理速度を持っているかという点を、アプリで計測することが出来ます。その処理速度を計測できるのがantutu(アンツーツ)というアプリです。
「このスマホはこれくらい処理が早いですよ」ということを数値で表すアプリで、その数値をベンチマークスコアと言います。
このベンチマークスコアがどれくらい数値を示したかで、他のスマホと比較する事が出来ます。
Zenfone ARの持っているCPU(Snapdragon 821)からは150000点前後が予想されます。
以下、ハイスペックと言われている各スマートフォンのantutuアプリのベンチマークスコアの参考値です。
iPhone 6s | 132000点 |
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iPhone SE | 132000点 |
iPhone 7 | 170000点 |
Galaxy S7 edge | 134000点 |
Galaxy S8 | 172000点 |
Xperia XZ Premium | 144000点 |
Moto Z | 148000点 |
Axon 7 | 148000点 |
Zenfone ARのスペック
OS | Android 7.0 |
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CPU | Qualcomm Snapdragon 821 (GPU Adreno 530) |
メモリ(RAM) | 6GB / 8GB |
ストレージ(ROM) | 64GB / 128GB |
ディスプレイ | 5.7型 有機EL |
解像度 | 2560×1440 (2K) |
背面カメラ | 2300万画素 |
前面カメラ | 800万画素 |
SIMサイズ | NanoSIM×2 DSDS対応 |
Wi-fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac 2.4GHz/5GHz |
センサー | GPS、加速度、電子コンパス、光、磁気、近接、ジャイロスコープ、指紋、RGB、気圧計、NFC |
バッテリー | 3300mAh Quick Charge 3.0対応 |
重量 | 170g |
価格 | RAM6GB / 82800円 RAM8GB / 99800円 |
Zenfone ARは「スマートフォンの未来」を感じさせる一台
スマホでのVR・AR体験は広く普及するための大きなカギを担っていると思います。現状では質の高いスマホVR・ARを体験するためには、その必要とするスペックから割と高価なスマホを買わなければなりませんが、ここ数年でスマホのスペックや通信環境はとても早いスピードで向上・進化しています。
ポケモンGOが大ヒットしてARが広く知れ渡りましたが、スマホで高品質なVR・AR体験が出来るプラットフォームDaydream・Tangoに両対応しているZenfone AR。
これから世に出てくるであろう最新のVR・ARアプリを堪能できるこの一台は、今後の時代の流れを先取りしながら、スマホの未来を感じさせる一台に仕上がっています。
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