キャプテン!前に俺が説明した基礎知識を教えてあげて!
今日は「なんとなく言葉は聞いたことある」という人にも分かりやすく「VR」について説明するよ!
(助平は絶対めんどくさがってる。VR業界の雄なのに…)
VRとは?VRの正式名称は「Virtual Reality」
VRとは「Virtual Reality(バーチャル・リアリティ)」の略で、日本語では「仮想現実」の訳。
コンピューターや電子技術を用いて、人間の五感である“視覚”、“聴覚”、“触覚”、“味覚”、“嗅覚”を刺激し、あたかも現実と同じような感覚を味わう事ができる技術のことを指します。
簡単にいうと、VR専用の機器であるHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着することで、映像や音響によって演出された仮想世界なのに、本当にその世界に入ってるような体験ができるのです。コントローラーで画面に映ったゲームのキャラクターを動かすのではなく、自分自身がゲームのキャラクターになった様な感覚ですね。
2016年10月にソニーが「PlayStation VR(PSVR)」というHMDを出したことで広く一般にも普及しました。最近ではUSJなどのテーマパークでもVR使ったアトラクションがあったり、VR専用のアミューズメント施設なども増えてきていて、いま最も勢いのある市場の1つですね。
VRの歴史は意外と長い!?
2016年はVRの技術が様々な業界から注目され「VR元年」とも呼ばれていますが、その歴史は意外にも長く、1968年にユタ大学のアイバン・サザランド氏によって提案された「The Sword of Damocles(ダモクレスの剣)」というHMDが最初のVRとされているそうです。(Wikipediaより)
こちらが実際の動画。
(当時は重すぎて天井から吊るして使用していたようです。)
その後、1980年代にNASAが宇宙飛行士の訓練のためにVRへの研究・開発に取り組み、1990年には松下電工(現:Panasonic)がシステムキッチンの内装をVRで体験できるシステム作ったことで認知が拡大し、1990年代に第一次VRブームが起きました。任天堂が出した「バーチャルボーイ」とかもありましたね。だけどそのブームも1999年には終息。
再び火が付いたのは、いまではご存知の方も多いOculus社が開発・発売している、ハイエンドHMD「Oculus Rift」がクラウドファンディングサービス「キックスターター」で成功し、アメリカを中心にVRへの投資が加速したことがきっかけです。
2014年にFacebookがOculus社を買収したニュースは日本のメディアでも大きく取り上げられ、GoogleやサムスンもスマホVRに注力し現在に至ります。
ARとの違い
VRと同時によく用いられるキーワードに「AR」があります。
ARとは「Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)」の略で、日本語では「拡張現実」の訳。
最近では「ポケモンGO」でその技術が大きく取り上げられ、それ以前だと陣取りゲームの「Ingress」や「セカイカメラ」というスマートフォン向けのアプリでも話題になりました。
ARは、スマートフォンやタブレットなどの電子デバイスを通して現実の空間を見た時に、現実空間には無い文字や映像などの情報を重ね合わせる技術のことです。VRが「仮想世界」なのに対して、ARは「現実世界」という点が1番の違いですね。
どちらの技術もゲームだけでなく様々な分野で活用され始めてるので、今後益々発展していくことは間違いないでしょう。
なぜVRは錯覚を起こすの?キーワードは「クロスモーダル現象」
さて、VRの特徴と言えば文頭でも説明した通り「仮想世界で現実と同じような体感を得られる」という点です。ここでよく用いられる言葉が「没入感」。
ハイエンドなVRを体験した人は「没入感がすごい!」とか言ってますよね。没入感とは読んで字の如くですが、なぜその様な錯覚を起こすのか。それは体験者の身に「クロスモーダル現象」というものが起きているからです。
クロスモーダル現象とは、簡単に言うと「実際には感じてない感覚を脳が補完してしまう現象」です。
私たちは“視覚”、“聴覚”、“触覚”、“味覚”、“嗅覚”という五感があり、それぞれで得た情報を脳で処理することによって感覚を得ていますが、この感覚というのは“視覚”と“聴覚”から得ている情報が多く、そして五感は相互作用していると言われています。
つまり“視覚”と“聴覚”を支配することで、それ以外の感覚も脳が補完し錯覚を起こしてしまうのです。ハイエンドHMDであるPSVRなどは“視覚”と“聴覚”を支配し、高い没入感を与えているんですね。
どうして酔う?VR酔いの原因と対策方法
VRは非常に面白い体験をさせてくれますが、その特徴ゆえに酔ってしまう人もいます。通称「VR酔い」と呼ばれていて、VR酔いの原因は、視覚から入った情報と身体が感じた感覚が異なり、脳が異常を感じ起きると言われています。
要は視覚から入った情報(映像)を脳が処理した時に、普段感じてる感覚とVR体験時の感覚が違うため、不快感を感じてしまうのです。(VR内で激しい動きがあったり視点の切り替えが多いゲームやコンテンツだと酔いやすくなるみたいですよ)
VRにおける没入感は脳の錯覚から起きるだけに、VR酔いを完全に起こさないようにするのは難しそうですね。ただVR酔いは個人差があり、全然平気な人もいますし、その日の体調などによっても左右されます。
VR酔いの対策方法としては
- いきなり激しく映像が動く様なゲームやコンテンツは体験しない
- 1回のプレイ時間を5分~10分程度におさえる
- ちょっとでも酔ったり不快感を感じたらすぐに休憩する
無理をせず少しずつ身体を慣らしていきましょう。
今後は触覚も再現される!?
VRにおいて“視覚”と“聴覚”に続くのはどの感覚なのか気になる所ですが、なんと既にマイクロソフトが“触覚”を伝えるコントローラーの試作機を開発したそうです!
こちらはまだテスト映像なのですが、もう「すごい!」としか言いようがない(笑)
また、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会が主催するゲームの祭典「東京ゲームショウ2016(※)」(毎年幕張メッセで開催)でも、VRを取り扱った展示が賑わいを見せていたそうですが、“触覚”をテーマにした研究展示も5つあったそうです。(来年は絶対行くぞ!)
VRに続く新体験は「触覚」? – 東京ゲームショウ2016で見た次世代の技術:マイナビニュース
※「東京ゲームショウ2016」は既に終了しています
以前PSVRを体験した身としては、“視覚”と“聴覚”だけでかなりの没入感を得られましたが、これに“触覚”まで感覚が再現されたら恐ろしいですね。もう現実世界との区別がつかないかもしれません。
マイクロソフトのコントローラーはまだ実用化されていませんが、近い将来に私たちも体験できるでしょう。
(アダルト系で爆発ヒットしそう…)
今後もVRからますます目が離せない!
いまVRを体験する機会としては、ゲーム・アプリやアトラクションといったコンテンツがほとんどだと思いますが、「旅行×VR」、「医療×VR」、「映画×VR」、「スポーツ×VR」、「不動産×VR」など、少しずつですが確実に様々な分野でVRが取り入れられ始めています。
さらに最近ではスマートフォンと専用のVRゴーグルがセットで発売されるケースも増えてきており、スマートフォン1台に対し専用VRゴーグル1つが普通になってくるかもしれません。
GoogleやFacebookなどの海外企業だけでなく、国内の企業もVRへの取り組みが活発になってきているので、今後私たち一般消費者にとってVRがもっと当たり前の存在になっていくでしょう。来年以降もVRから目が離せませんね!