VRが様々なものに使われ始めてきています。
去年はポケモンGOが流行りました。実際に見えているものにプラスアルファを付け加えるという技術の「AR」が採用されとても話題になり、ARを普及させる一役を買ったアプリとなりました。
一方VRはプレイステーションシリーズのPSVRで名作「バイオハザード」が発売されました。これまた大きな反響を呼びました。
一般消費者向けのコンテンツはやはり大きく波及する効果があります。今回はVRコンテンツの中でも街中にあるものととって変わる可能性のある「VRバッティング」について紹介します。VRバッティング動画
まずはこちらをご覧ください!VRバッティングセンターの想像が浮かぶ動画です。
こちらの動画は40秒程度です。
バッティングにVRが使われる事で、わざわざバッティングセンターや練習場に出向く事なく時間や天候にも左右されずに練習をすることが出来ます。
動画の3秒あたりで、バッティングしている人が顔を上にしますが動画内の壁に設置してあるディスプレイの視点も変わっています。ホームラン級の打球を飛ばせた時に打球を目で追っていきたいですね。
使われている機械の「HTC Vive」とは
動画で使われている機械は市販されているHTC ViveというVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)です。
ヘッドマウントディスプレイというのは、ゴーグルとヘッドホンが一体型になった様な形をしたゴーグル部分にディスプレイ(有機EL等)を埋め込んだものです。パソコンと繋いで使用する事でそのディスプレイにゲーム画面が映し出されVRを楽しめます。
台湾スマホメーカーの「HTC」とアメリカのPC向けゲームのプラットホームであるSteamを作っている「Valve」が2社共同で開発しました。価格は99800円です。
実際のバットの感覚をそのまま味わえる「Viveトラッカー」とは
このVRバッティングの凄い点は本物のバットを使用してゲームを行うので、バットの重みを感じた本格的なバッティング練習が可能な点にあります。
VR動画の中でHTC Viveに接続されているもう一つの機器があります。それが「Viveトラッカー」です。
ViveトラッカーはHTC Vive専用のモーショントラッカーです。モーショントラッカーとはその言葉のままモーション(行動、動き)をトラック(追跡、追尾)するもので、取り付けたものの動きを追尾する役割を持ちます。
Viveトラッカーを接続出来るものは様々でバット、テニスのラケット、銃型のコントローラー、手袋などに接続が出来ます。
それらに接続することでHTC ViveとViveトラッカーが連動し、接続されているバット等の動きがゲーム上で反映されます。より没入感の高いVR体験が可能です。Viveトラッカーはバッテリーを搭載しているので、満充電で6時間の動作が出来ます。
Viveトラッカーは3月27日に開発者向けに販売され、価格は12500円です。Viveトラッカーの一般消費者向けへの販売は2017年末の予定となっています。
激しい動作にも対応できる「Viveデラックスオーディオストラップ」とは
先ほどご紹介のViveトラッカーを使用することで本格的なバッティング練習がVR上で可能になりました。 その激しい動きに対応するためHTC Viveのためのヘッドホンストラップが発表されました。それが「Viveデラックスオーディオストラップ」です。
VR体験中にHMDがずれたりすると目の前のVRに集中しずらくなります。このViveデラックスオーディオストラップで装着感を高めることで、HTC Viveを頭部に装着しながらの動作にもずれずに対応出来るようになります。
この材質は少し硬めのゴムの様な素材で作られていて、装着感が高まることでより快適なVR体験をすることが可能になります。
Viveデラックスオーディオストラップは5月2日より予約開始、6月上旬に発送予定と公表されています。価格はViveトラッカーと同じ価格の12500円です。
VRのバッティングが普及するとどうなる?
VRバッティングが普及すれば、直接身体にボールが当たる恐れもなく中学生(※HTC Viveの推奨年齢は13歳以上)の頃から高速のバッティング体験が日常的に可能になります。
バットの動きとVR内でのボールの動きとがうまく合わされば、実際のバッティングさながらの練習に利用出来る可能性は大いにあると思います。
またプロのバッティング練習では、実際にいる投手の投球パターンなどをソフトウェアに盛り込めば攻略出来ないエース的ピッチャーとのVRでのシミュレーションバッティングなどが可能になる事でしょう。
ただバッティングは上達するかもしれませんが、少年が整備のされていないグラウンドでの身体を使った後ろへ逃さないバウンドさばきはやはり実際の練習の中で生まれることでしょうか。。
いや恐らくこれもVR装置を腕や足に付けてのなどのVRノックなどもあり得るのでしょう(VR装置の全てがワイヤレス利用でき軽量化が不可欠なのでかなり先になると思われますが)。
「打球へ向かうスタートが遅い」とか「キャッチする身体のバランスが悪い」とかのアドバイスも、お金を掛けられたら業務システムばりな緻密なアドバイスが可能なシステムも作れるかもしれません。
VRでバッティングやノック等の野球にまつわるシミュレーションが出来るようになれば練習をお手伝いする人もほぼ不要になり、1人でも内容の濃い練習が出来るようになりますので野球のレベルアップに繋がると思います。
一年生はボール拾いが当たり前だと言われていることが「懐かしいな」昔はこうだったんだよ。と言われる時代が来るかもしれません。素晴らしき未来ですね(嫉妬)。
いずれにしても、今後の野球の発展にこのVRの技術が多く使われることになることは間違いなさそうです。
・VRバッティングシステム製作 「DIAMOND FX」Trinity VR社 また投球システムに特化したVRバッティングのAOI Pro.「VR Dream Match Baseball」サービス版もぜひ参考にして下さい。